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JIHS腎臓内科の特徴
診療実績
概要
当科では、毎日の外来診療(午前2診、午後1診)に加え、急性腎障害から慢性腎臓病、末期腎不全に至るまで、幅広い腎疾患の診療を行っています。特に、保存期慢性腎臓病や急性腎障害に対しては、積極的に腎生検を実施し、早期診断と適切な治療介入に努めています。腎代替療法については、血液透析や腹膜透析をはじめとする、さまざまな治療法を提供しており、患者さん一人ひとりの生活背景や価値観を踏まえながら、最適な治療選択を支援しています。また、近年増加している訪日外国人患者に対する旅行者透析にも積極的に取り組み、国内外の患者さんが安心して治療を継続できる体制を整えています。
院内各診療科からのコンサルテーションにも柔軟に対応しており、急性腎障害や重症患者に対する持続的腎代替療法(CRRT)に加え、免疫疾患や神経疾患などに対する各種アフェレシス療法を迅速かつ適切に実施しています。アフェレシス療法については、外来での治療にも対応しています。さらに、希少疾患であるシスチノーシスやファブリー病の診療を行うとともに、小児期から成人期への移行医療(トランジション医療)にも取り組んでいます。今後も、専門性の高い医療と包括的な診療体制の充実を通じて、質の高い腎疾患診療の提供を目指してまいります。
入院診療・コンサルテーション
2025年度は合計448名の腎臓内科入院患者の診療を行いました。 対象疾患については診療のご案内を参照ください。 また他科入院患者に対するコンサルテーションもにも幅広く対応しております。
当院は日本腎臓学会認定研修施設、日本高血圧学会認定施設です。

| 入院患者数 | 腎生検数 | 血液透析 件数 |
血液浄化 件数 |
透析導入 件数 |
腹膜透析 患者数 |
|||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 448名 | 51 | 2,702 | 323 | 42 (うち離脱可10) |
4 | |||
外来診療
2025年度、外来では9,584名(再診)、140名(新患)の診療にあたりました(腎臓内科診療について)。
外来診療については外来についてをご参照ください。また、当科初診のご希望のある患者さんは初診の方へをご覧ください。
セカンドオピニオンも受け付けております。
| 外来患者数 (再診) |
外来患者数 (新患) |
|||
|---|---|---|---|---|
| 9,584名 | 140名 | |||
血液透析・腹膜透析
2025年度の導入患者は血液透析 42件でした。2,702件の入院患者の血液透析の治療を行いました。12名の医師(透析専門医5名)、3名の看護師および4名の臨床工学技士で治療を行っています。(なお、当院で血液透析導入となった患者さんは、原則として自宅・職場近隣の透析施設をご紹介させていただき、治療を継続していただいております。)腹膜透析認定指導看護師2名、腎臓病療養指導士が2名在籍しております。当院は日本透析医学会認定施設です。
PD室での腹膜透析外来
集中治療室での急性血液浄化療法
腎臓の働きが急激に低下した重症の患者さんに対し、血液浄化装置を用いて血液中の老廃物や余分な水分を取り除き、体内環境を整える治療を、急性血液浄化療法といいます。
当院は日本急性血液浄化学会の認定施設であり、集中治療室(ICU・HCU)や救急病棟を中心に、腎臓内科医と臨床工学技士がチームを組んで24時間体制でこれらの治療にあたっています。腎臓内科医が主治科・集中治療部門と協働し、適応の判断から開始・処方設計・抗凝固管理・離脱の判断までを一貫して担当します。
診療実績
当科が緊急に施行する血液浄化療法(緊急血液透析および持続的腎代替療法〈CKRT〉)は年間約100例です。院内の重症症例および他施設からのご紹介に、幅広く対応しています。
| 施行症例数 | 年間約100例 |
|---|---|
| 主な治療法 | 持続的腎代替療法(CKRT)、緊急血液透析(HD)、各種アフェレシス(別項参照) |
| 実施場所 | 治療の種類により異なります。 CKRT:集中治療室(ICU・HCU)・救急病床 ╱ 緊急血液透析:血液浄化療法 ╱ 結核などの感染症を有する患者さん:病室での出張透析 |
| 体制 | 日本急性血液浄化学会認定施設 ╱ 腎臓内科医(急性血液浄化認定指導者)・臨床工学技士によるチーム対応 |
治療のしくみ
もっとも多く行うのは持続的腎代替療法(CKRT)です。血液を体の外に導き、「ヘモフィルタ」と呼ばれる中空糸膜の筒を通して、老廃物・余分な水分・炎症にかかわる物質を取り除いてから体に戻します。通常の血液透析が1回3~4時間で行うのに対し、CKRTは24時間かけてゆっくり行うため、血圧が不安定な重症の患者さんにも適した治療法です。

- 図は透析液と補液の両方を用いる構成(持続的血液透析濾過:CHDF ╱ CVVHDF)を示しています。
- 血液量・透析液流量・濾過流量は、患者さんの病態および施設の方針に応じて調整します。補液は前希釈で用いる場合もあります。
- 脱血圧・入口圧・濾過圧・静脈圧を常時監視し、回路内の凝固や脱血不良を早期に検知します。
通常の血液透析(HD)と持続的腎代替療法(CKRT)の違い
| 血液透析(HD) | 持続的腎代替療法(CKRT) | |
|---|---|---|
| おもな対象 | 血行動態の安定した腎障害 | 集中治療を要する、血行動態が不安定な腎障害 |
| 1回の時間 | 3~4時間 | 24時間(連続) |
| 除去の速さ | 短時間で一気に | 時間をかけてゆっくり |
| 循環動態への影響 | 血圧が下がることがある | 血圧の変動が少ない |
| 取り除ける物質 | 主に小分子の老廃物・水分 | 小分子に加え、やや大きい炎症物質なども |
| 行う場所 | 血液浄化療法室 | 集中治療室(ICU・HCU)など |
対象となる病態
薬物治療や輸液管理では対応が難しい溢水、電解質異常、代謝性アシドーシス、尿毒症症状をきたした急性腎障害(AKI)が主な対象です。近年の施行例では、敗血症・重症肺炎などの重症感染症、心不全・急性心筋梗塞・心臓血管外科術後、横紋筋融解症、薬物中毒、多発外傷、悪性腫瘍に伴う腎障害、急性肝不全、膠原病に伴う腎クリーゼなど、幅広い病態に対応しました。また、維持透析中の患者さんが急性期疾患で入院された際の緊急透析にも対応しています。
実施している治療
持続的腎代替療法(CKRT)と、緊急血液透析(HD)を病態に応じて選択しています。実施場所は治療の種類により異なり、CKRTは集中治療室(ICU・HCU)および救急病床で、緊急血液透析は血液浄化療法室で行います。結核などの感染症を有する患者さんについては、血液浄化療法室・臨床工学室と連携し、病室での出張透析により対応しています。
研修と研究
認定施設として、研修医・専攻医が指導医(急性血液浄化認定指導者)のもとで適応判断・処方設計・抗凝固管理・離脱までを実地で経験できる体制をとっています。年間約100例という症例数は、急性血液浄化療法を体系的に学ぶうえで十分な経験量です。
あわせて臨床研究にも継続的に取り組んでおり、集中治療下のAKI患者における尿中尿細管バイオマーカーを用いた腎代替療法の開始時期・予後の検討、敗血症のフェノタイプ分類に関する研究、CKRT用血液浄化器の比較試験などを進めています。COVID-19に対する急性血液浄化では国内・国外から一定の評価を得ました。マラリアや敗血症に対する血液浄化でも多くの経験を有しています。これらの成果は日本急性血液浄化学会をはじめとする国内外の学会で発表しており、若手が筆頭演者・筆頭著者として発信する機会を設けています。
血漿交換などのアフェレシス療法
多種多様な疾患に対する血漿交換を代表とするアフェレシス療法も積極的に行なっております。
当院はアフェレシス学会認定施設です。
ICUでの血漿交換療法
腹水濾過濃縮再静注法(CART)
学会での委員会活動
学会の各種委員会活動等は、以下の通りです。
髙野 秀樹
- 東京都透析医会. 東京都区部災害時透析医療ネットワーク区西部副ブロック長(2021年 - )
- 日本腎臓病協会 東京地区幹事(2024年 - )
- 東京腎生検カンファレンス 運営委員(臨床)(2024年 - )
片桐 大輔
- 日本腎臓学会 教育・専門医制度委員会(2020年 - )
- 日本腎臓学会 CKD診療ガイドライン2023 作成委員(2021年 – 2023年)
- 日本腎臓学会 第2次五ヵ年計画策定メンバー(2021年)
- 日本透析医学会 感染対策委員会(2026年 - )
- 慢性腎臓病患者における腎性貧血治療のガイドライン改訂ワーキンググループ評価委員会(2015年)
- 日本透析医会 COVID-19関連論文紹介プロジェクト委員(2020年 – 2023年)
- 東京都透析医会 東京都HIV透析ネットワーク(2026年 - )
- 日本アフェレシス学会 日本アフェレシス学会雑誌編集委員(2024年 - )
- 日本アフェレシス学会 レジストリワーキング委員(2024年 - )
- 日本アフェレシス学会 AI利活用勉強会(AIUS)委員(2026年 - )副委員長
- 国際アフェレシス学会(ISFA)Therapeutic Apheresis and Dialysis(TAD) Academic Editor(Executive Editor)(2025年 - )
- 米国内科学会 (ACP) 日本支部CMC委員/関東地区リーダー (2025年 - )
- 日本腎・血液浄化AI学会 第6回日本腎・血液浄化AI学会学術集会 プログラム委員会(2025年 - )
鈴木 みなみ
- 東京都透析医会 東京都HIV透析ネットワーク(2026年 - )
松村 実美子
- 日本腎臓リハビリテーション学会ガイドラインシステマティックレビューチーム(2018年)
若林 夢美
- 東京都透析医会 東京都HIV透析ネットワーク(2026年 - )
頓宮 慶泰
- 日本腎臓学会 Young Nephrologist Committee 委員(2026年 - )
国際医療協力
- 「マレーシアにおける透析医療の技術革新と臨床工学技士制度の導入」令和3年度 医療技術等国際展開推進事業 (片桐)
受賞歴・競争的研究資金獲得歴
2026年4月20日
髙野 秀樹
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2021年
国際医療研究開発費(重点研究分野、分担)
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2023年
日本医療研究開発機構 「医療機器開発推進研究事業」(分担)
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2024年
国際医療研究開発費(疾病研究分野、分担)
片桐 大輔
-
2009年
International Society for Hemodialysis, 「ISHD Best Presentation Award」, Hong Kong, August 28, 2009.
-
2013年
第27回 日本心臓財団・バイエル薬品 海外留学助成
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2014年
第57回 日本腎臓学会学術総会 「会長賞」
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2015年
日本学術振興会 海外特別研究員
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2016年
第45回 かなえ医薬振興財団 海外留学助成
平成28年度 上原記念生命科学財団 海外留学助成 リサーチフェローシップ
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2017年
Fellow of American Society of Nephrology
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2018年
National Institute of Diabetes and Digestive and Kidney Diseases (NIDDK) Scholarship, Keystone Symposia, Santa Fe, New Mexico, 2018
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2019年
国際医療研究開発費(重点研究分野、代表)
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2020年
日本医療研究開発機構 「ウイルス等感染症対策技術開発事業」(分担)
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2021年
医療技術等国際展開推進事業(代表)
国際医療研究開発費(重点研究分野、代表)
国立国際医療研究センター 「箱根山奨励賞」
American Society for Apheresis (ASFA) 2021 「Annual Speaker Spotlight」
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2022年
Fellow of American College of Physicians Clinical Journal of Apheresis, 「Wiley Top Cited Article 2020 – 2021」.
第65回日本腎臓学会学術総会「優秀演題賞」. 神戸. 2022/6/10 – 12.
日本アフェレシス学会「2022年度 井上学術奨励賞」
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2023年
Clinical Journal of Apheresis, 「Wiley Top Cited Article 2021 – 2022」.
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究C(代表)
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2024年
国際医療研究開発費(疾病研究分野、代表)
厚生労働科学研究費(地域医療基盤開発推進研究事業、分担)
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2025年
15th ISFA 2025/4th TSFA「優秀演題賞」Bangkok, Thailand. 2025/7/17 – 19.
日本腎臓財団 令和7年度CKD(慢性腎臓病)病態研究助成(研究代表者)
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2026年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究C(研究代表者)
鈴木 みなみ
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2014年
第44回日本腎臓学会東部学術大会. 「優秀演題賞」新宿. 2014/10/24 – 25.
松村 実美子
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2017年
郵政記念日「業務功労表彰」
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2023年
第691回日本内科学会関東地方会「指導医賞」
番場 春衣
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2024年
第54回日本腎臓学会東部学術大会. 「優秀演題賞」宇都宮. 2024/9/28.
江里口 直人
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2024年
2024年 第55回日本腎臓学会東部学術集会. 「プログラム委員長賞」横浜. 2025/9/27 – 28.
頓宮 慶泰
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2022年
第44回日本高血圧学会総会「最優秀演題賞」 2022/10/16
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2023年
12th CKD Frontier Meeting 「CKD Frontier Award」 2023/2/18
第126回日本小児科学会学術集会 「トラベルグラントアワード」 2023/4/16
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2024年
2024年度冲中記念成人病研究所 「研究助成」
20th Asian Symposium of IMD 「Young Investor Award」2024/11/9
第47回日本分子生物学会年会「MBSJ-EMBO Poster Award」 2024/11/29
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2025年
2025年度冲中記念成人病研究所 「研究助成」
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2026年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究C(研究代表者)
令和8年度JH横断的研究推進費若手研究助成 (研究代表者)
近年のOB, OGの受賞歴
齊藤 宇広
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2021年
第670回日本内科学会関東地方会 「奨励賞」
菊池 達也
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2024年
医学生・研修医・専攻医の日本内科学会ことはじめ 2024. 「優秀演題賞」
今村 洋介
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2023年
第691回日本内科学会関東地方会 「奨励賞」