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診療実績
2024年度
2024年度は, 外来患者数延べ14,503例, 入院患者数362人(在院患者数延べ7,117人)の診療を行った.初期研修医・レジデント(新内科専門医制度内科専攻医)の教育を行い, 研究会、学会活動, 臨床研究を行った. 2024年度は治験9件, 特定使用成績9件, 使用成績調査2件に関わった.
診療実績
入院実績(2024年)
- 入院数(2024年4月~2025年3月):362例(在院患者数延べ7,117人)
- 平均在院日数:19.5日
- 入院の疾患内訳 (入院平均年齢:69.7才、男/女= 108/254例)
1) リウマチ膠原病関連:
●関節リウマチ (RA): 71例(うち悪性関節リウマチ 3例)
●全身性エリテマトーデス (SLE): 27例
●抗リン脂質抗体症候群: 1例
●血管炎症候群: 48例
高安動脈炎: 8例
結節性多発動脈炎/顕微鏡的多発動脈炎: 21例
アレルギー性肉芽腫性血管炎 (EGPA): 9例
ウェゲナー肉芽腫症 (GPA): 4例
IgA血管炎: 6例
●筋炎: 29例
多発性筋炎: 14例
皮膚筋炎: 15例
●シェーグレン症候群: 18例
●強皮症: 14例
●混合性結合組織病: 9例
●リウマトイド因子陰性脊椎関節炎: 4例
乾癬性関節炎: 2例
未分類脊椎関節炎: 2例
●リウマチ性多発筋痛症: 15例
●RS3PE: 4例
●SAPHO症候群: 1例
●成人発症スティル病: 11例
●ベーチェット病: 12例
●再発性多発軟骨炎: 2例
●痛風: 3例
●偽痛風: 1例
●変形性関節症: 1例
●IgG4症候群: 2例
●好酸球増多症候群: 5例
●線維筋痛症: 1例
2) 非リウマチ性疾患:
●不明炎症・不明熱: 23例
●アナフィラキシーを含むアレルギー疾患: 3例
●肺炎およびその他の感染症(COVID-19感染症を含む): 46例樹状血管炎: 1例
●類天疱瘡: 2例
●尋常性乾癬: 2例
●特発性血小板減少性紫斑病: 1例
●血球貪食症候群: 1例
●菊池病: 1例 - 入院死亡例:14 例(剖検率 1/14)
●死亡例の平均年齢: 81.2歳
●平均在院日数: 24.1日
●原疾患の内訳:
o関節リウマチ: 5例
o全身性エリテマトーデス: 1例
o皮膚筋炎: 1例
o強皮症: 1例
oベーチェット病: 1例
o血球貪食症候群: 1例
●死亡原因:
o肺炎: 4例
o敗血症: 3例
o間質性肺炎急性増悪: 2例
o心不全: 1例
o致死的不整脈: 1例
o不明: 2例
●入院患者の死亡割合: 14/362(約3.9%)
o基礎疾患としては、関節リウマチが最も多く, 死亡原因としては肺炎などの感染症が主体であったが、原因不明の死亡も2例あり、うち1例は剖検を行って結果待ちの状況である。高齢者や膠原病が基礎疾患の場合、既存の多臓器病変を認め、それに加え、ステロイドをはじめとする免疫抑制剤の投与が主なリスク因子となっている. - 院外からの紹介入院 :77例
●本年度の入院総数の21.3% が院外からの紹介でした。
●紹介元内訳:東京北医療センター:19例, 東京警察病院:16例, 同愛記念病院:3例, 小張総合病院:2例, 東京女子医科大学病院:2例, 練馬光が丘病院:2例, JR東京総合病院: 2例, 名戸ヶ谷病院: 2例,
●以下は各1例: JCHO東京新宿メディカルセンター, 三楽病院, 中野共立病院, 佐々総合病院, JCHO埼玉メディカルセンター, 国立成育医療研究センター, 新渡戸記念病院, 昭和大豊洲病院, 東京逓信病院, 松戸市立総合医療センター, 柳町病院, 荻窪病院, 調布東山病院, 都立大久保病院, 東京都立大塚病院, MED AGRI CLINIC じょうえつ, まごころクリニック, にしむら整形クリニック, フォレスト内科リウマチ科クリニック, 小田クリニック, 郡司クリニック, 高田馬場さくらクリニック, 目白整形外科内科, 国立リウマチ膠原病クリニック, 中野リウマチ膠原病クリニック, 北里整形クリニック, 池袋三好医院, 村橋医院, ハノイ・フレンチ・ホスピタル, 北海道大学 呼吸器内科, 国際医療福祉大学三田病院, 昭和大学豊洲病院, - 院内からの紹介入院
●院内からのコンサルトや転科を積極的に受け入れ、必要に応じて診療を行っている。
●2024年は入院患者の 29/362(8.0%)例が他科からの転科もしくはコンサルト症例であった。
外来実績(2024年)
- 外来総患者数:延べ14,503人
- 初診患者数:285人
- 逆紹介患者数:348件 (診療報酬上の逆紹介率 31.4%)
委員会活動
医療安全委員会 膠原病科リスクマネージャー:原田拓弥
医療教育部 内科実務者ミーティング:金子礼志, 山下裕之
など
国際医療協力
診療科長金子礼志:国際協力機構(JICA)東京での研修員の健康管理に関する助言・指導を行った。
研究
研究所 肝炎・免疫研究センター 免疫病理研究部 鈴木春巳先生との共同研究
国立国際医療研究センター 研究所(国府台) 肝炎・免疫研究センター免疫病理研究部 鈴木春巳部長,木村彰宏先生らとの共同研究では, 関節リウマチ患者血清中にみとめられる炎症性蛋白アラーニンの研究を行った。(Kimura A, et al. Ann Rheum Dis 82:1153-61, 2023) 疾患対象を他のリウマチ性疾患について展開し解析を行う予定である。
研究所 難治性疾患研究部 石坂幸人先生との共同研究
国立国際医療研究センター 研究所 難治性疾患研究部 石坂幸人副研究所長, 松永章弘先生らとの共同研究では,新型コロナウイルス(COVID-19)感染後の自己免疫現象の病態解明に向けて, リウマチ・膠原病患者でCOVID-19感染を生じた事例 ならびにCOVID-19感染を契機にリウマチ膠原病様病態を呈した事例の血清をサンプリングし, 血清中における自己抗体の発現を測定した。財源:AMED新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 課題名「コロナ後遺症に関連する自己抗体の同定と治療法シーズの導出」。
中央バイオバンクでの製薬協との共同研究(GAPFREE研究)
中央バイオバンク(NCBN)と製薬協との共同研究において, 膠原病科としては免疫・炎症の分野で研究を行った。財源:AMEDナショナルセンター・バイオバンクネットワークを基盤とする疾患別情報統合データベースを活用した産学官連携による創薬開発研究(研究代表者:NCBN後藤雄一) 課題名「免疫炎症領域のオミックス情報の多層的, 疾患横断的解析による層別バイオマーカー, 創薬ターゲット等の同定及びその臨床応用を目指した研究」. 本研究は複数年度に及ぶ研究事業で, 2024年度は最終年度として全ての解析を行った。
教育
初期研修医ならびに専門医取得前のレジデントには積極的に学会発表をしていただき, その支援を行った. 下記は医療教育部を通じて日本内科学会に申請した数である.(詳細は「研究実績」を参照)
- 必須V. 日本内科学会での発表数(年次講演会、地方会) 5件
- 必須W. 学会発表数(内科系学会の発表数、Vの件数は含めない) 9件
- 必須W2. 学会発表数(上記内科系学会の発表数のうち初期研修医と、卒後3~6年目の内科専門研修中の医師が筆頭演者の発表) 12件
| 分類 | 種類 | 課題名 | 被験薬名 | 適応症 |
|---|---|---|---|---|
| 治験 | 第Ⅱ相 | 全身性エリテマトーデス(SLE)患者を対象にVAY736及びCFZ533の薬力学,薬物動態,安全性,忍容性,予備的な臨床的有効性を評価する,プラセボ対照,被験者・治験担当医師盲検,ランダム化,並行群間比較試験 | VAY736(ianalumab)、CFZ533(iscalimab) | 全身性エリテマトーデス(SLE) |
| 治験 | 第Ⅱ相 | 全身性エリテマトーデス患者を対象とした、BMS-986165の長期安全性及び有効性を評価する多施設共同試験 | BMS-986165 | 全身性エリテマトーデス |
| 治験 | 第Ⅲ相 | 高安動脈炎患者を対象としてUpadacitinibの有効性及び安全性を評価する第Ⅲ相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験 (SELECT Takayasu) | ABT-494(Upadacitinib) | 高安動脈炎 |
| 治験 | 第Ⅱ相 | 活動性全身性エリテマトーデス患者を対象とした、Afimetoranの有効性及び安全性を検討する、多施設共同、プラセボ対照、ランダム化二重盲検第II相試験 | BMS-986256 | 活動性全身性エリテマトーデス |
| 治験 | 第Ⅲ相 | 活動性を示す増殖性ループス腎炎を有する成人患者を対象にアニフロルマブ投与の有効性及び安全性を評価する第Ⅲ相、多施設共同、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験 | アニフロルマブ | 活動性増殖性ループス腎炎 |
| 治験 | 第Ⅲ相 | 非生物学的製剤によるループス標準治療を受けている活動性の全身性エリテマトーデス成人患者を対象としたBIIB059の有効性及び安全性を評価する多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、第III相臨床試験 | BIIB059 | 全身性エリテマトーデス |
| 治験 | 第Ⅰ相 | 健康成人並びに活動性皮膚病変を有する全身性エリテマトーデス患者及び皮膚エリテマトーデス患者を対象としたKK4277の第I相、プラセボ対照、二重盲検、単回/反復投与用量漸増試験 | KK4277 | 活動性皮膚病変を有するSLE患者及びCLE患者 |
| 治験 | 第Ⅲ相 | 活動性全身性エリテマトーデス(SLE)患者を対象としたデュークラバシチニブの有効性及び安全性を評価する、第3相、ランダム化、二重盲検、プラセボ対照試験 (POETYK SLE-2) | デュークラバシチニブ | 中等度から重度の活動性SLE |
| 治験 | 第Ⅲ相 | 活動性の全身性エリテマトーデス成人患者を対象としたLitifilimab(BIIB059)の継続的な安全性及び有効性を評価する多施設共同、無作為化、用量盲検、第III相長期継続臨床試験 | BIIB059 | 全身性エリテマトーデス |
| 調査 | 特定使用成績調査 | トラクリア錠62.5mg 特定使用成績調査(全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制・長期使用)(全例調査) | ボセンタン水和物 | 全身性強皮症における手指潰瘍の発症抑制 |
| 調査 | 特定使用成績調査 | ヌーカラ皮下注用特定使用成績調査(長期)(好酸球性多発血管炎性肉芽腫症) | メポリズマブ | 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症 |
| 調査 | 特定使用成績調査 | スマイラフ錠50mg,100mg 特定使用成績調査 | ペフィシチニブ臭化水素酸塩 | 関節リウマチ |
| 調査 | 特定使用成績調査 | イラリス皮下注用150mg,イラリス皮下注射液150mg特定使用成績調査(CACZ885G1401)全身型若年性特発性関節炎 | カナキヌマブ(遺伝子組換え) | 全身型若年性特発性関節炎 |
| 調査 | 特定使用成績調査 | リンヴォック®錠 特定使用成績調査(全例調査)-関節リウマチ患者を対象としたリンヴォック®錠の安全性及び有効性に関する調査- | ウパダシチニブ水和物[JAN] | 関節リウマチ |
| 調査 | 特定使用成績調査 | 関節リウマチ患者を対象としたジセレカ錠特定使用成績調査 | フィルゴチニブマレイン酸塩 | 関節リウマチ |
| 調査 | 特定使用成績調査 | サフネロー点滴静注300mg特定使用成績調査 全身性エリテマトーデス患者を対象とした全例調査 | アニフロルマブ(遺伝子組換え) | 既存治療で効果不十分な全身性エリテマトーデス |
| 調査 | 特定使用成績調査 | リンヴォック®錠 特定使用成績調査 -強直性脊椎炎患者を対象とした安全性及び有効性に関する調査- | ウパダシチニブ水和物 | 強直性脊椎炎 |
| 調査 | 特定使用成績調査 | オフェブ®カプセル特定使用成績調査(長期投与)(全身性強皮症に伴う間質性肺疾患) | ニンテダニブエタンスルホン酸塩 | 全身性強皮症に伴う間質性肺疾患 |
| 調査 | 使用成績調査 | エンスプリング®皮下注 一般使用成績調査(全例調査) -視神経脊髄炎スペクトラム障害(視神経脊髄炎を含む)の再発予防 | サトラリズマブ(遺伝子組換え) | 視神経脊髄炎スペクトラム障害 (視神経脊髄炎を含む)の再発予防 |
| 調査 | 使用成績調査 | イラリス®皮下注用150mg,イラリス®皮下注射液 150mg 使用成績調査(CACZ885N1401)既存治療で効果不十分な家族性地中海熱,TNF 受容体関連周期性症候群, 高IgD 症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症) | カナキヌマブ(遺伝子組換え) | 家族性地中海熱,TNF 受容体関連周期性症候群, 高IgD 症候群(メバロン酸キナーゼ欠損症) |
その他 課題や今後の展望
診療
- 専門外来の開設. (例)SLEループス腎炎外来
- 地域医療連携の推進. 医療連携室を通じて医療機関に訪問を行う.
- 小児膠原病、先天性免疫不全患者の移行期外来開設.
- アレルギー診療の標榜化.
- 治験の推進.
研究
- 院内院外の部門との共同研究の推進.
- 院内では、各診療科、研究所との臨床研究.
- 院外では、他のNC(ナショナルセンター)、大学研究機関とのリウマチ膠原病分野に関する共同研究.
- AMED研究 GAPFREEの成果発表.
教育
- リウマチ膠原病分野の人材育成. 初期研修医から内科専攻医(レジデント)までの育成を行う.
- レジデントは日本専門医機構内科専門医および日本リウマチ学会リウマチ専門医の取得を目指す.
- レジデントの臨床研究への取り組み、ならびにその成果の国内外の学会発表をサポートする.